カナリアるーむ こころの相談室

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つはのはな

2022年あけましておめでとうございます。

寒い元旦となりました、皆様どのようなお正月をお過ごしでしたか。

新しい年の初めの今日はこんな草花、石蕗(つわぶき)のお話をしたいと思います。

和のゆかしき雰囲気を感じさせる植物です。「つわ」、古くは“つは” “つはのはな”等と記される薬草で、潮風にも強いと言われ、海近い場所や崖、最も身近には庭の傍などで、小菊に似た可憐な、しかし力強い黄色の花を咲かせます。花の少なくなる季節、庭の日陰から静かに青空へと茎を伸ばす姿に元気を貰います。

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                                                                                                                       相楽園のツワブキ 2021秋撮影

ご紹介したのは、飯田龍太全句集より「山の木」から冬の一句。

花の頃は秋の終わりから、1月の今くらいになりますと花も綿と化し、葉のほうが目立つ頃。されどその光沢のある青々とした丸い葉からも、なお生命力を感じます。それで新年の今日は、この句を選びました。すこし艶のある葉色から「つやふき」(艶がある蕗の葉)とも呼び名があり、(私はまだ口にしたことがないのですが)葉は漢方、食用にもされるとか。

石蕗の花言葉は、「困難に負けない」「先を見通す力」「謙譲/謙遜」。

おそらく日陰や海崖などに咲く姿、その花葉の佇まいから来ているのでしょう。

 

元日を迎えた皆様の今の思いはいかがでしょうか。

大きな目標があれば勿論すばらしいことですし、あるいは、なんとなく晴れないものを抱えていたり、当面は特に積極的な思いは抱けないでいても、小さな願い事はあるでしょうか。たとえば、今年一年は自分の気持ちに正直でありたい、ここの掃除だけは丁寧にしたい、疲れたらまず一度座ろう、よく眠ろう、深呼吸しよう、今年はこの文房具を大切に使いたい、目の前のコーヒーをおいしく淹れよう、この勉強や読書だけは集中したい、今年は自分を罵倒することはやめよう、自分にも人にも心ある佳い言葉を使おう、ずっと言えずにいたことを人に伝えよう又は毅然と態度で示そう、病気を治療したい、健康に暮らしたい・・・など。ささやかなことでよいでしょう、どんな小さな願いであっても構わないと思います。

こうして無事新しい年を迎えた自分の体を大切に抱き、この体でまた一年間、ご自身の心を運んでいきましょう。

同じく飯田さんの句から、 

 元日の午後の袂の草じらみ   飯田龍太

   (草じらみは、通称ひっつき虫。せり科の二年草で野を過ぎれば自然に衣服につく草の種。)

心の山野にある色々な思い・願いの種にもう一度目を向け、あなた自身が大切に運んで下さい。

 

年始は5日(水)より開室です。

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。