閃光走る前に

9月に入りました。最近よく雷の音が聞こえ、大気の不安定な日が多々ありましたね。これから本格的に野分の季節です。

f:id:kanariaroom:20200905124934j:image

雷、どうしてあんなに大きな音がして、どうしてあの中であれほど強い電気が起こるのか。理屈はわかっても、改めて思うと本当に不思議です。

あの雲の中にはたくさんの氷の粒が上がり下がりして、互いに合体し、まわりの水分を吸収してはより一層大きくなっていくそうです。しだいにそれが激しくぶつかり合い、摩擦し合い、電気まで容易に起こして放つなんて凄い。いざ轟き光り始めると、昔の人が雷神様と崇めた気持ちのほうが案外よく共感できてしまいます。

 

子どもの頃は怖かったものですが、最近は雷、状況さえ許せば見ていたくなったりします。

(※危ないので真似しないで下さい(^_^;)雷鳴時は堅固な建物の奥へ。)

まるで私達の心の中のように思えてきます。怒りや苦しみ悲しみ、消し去れない憎しみや恨み、衝動、恥や罪悪感、たやすく外には出せない負の感情。本来、感情の範囲は、麻痺しても凍結してもよくない、できるだけ感じられる範囲で、自分で耐える・慰められるという感覚の体験が必要ですが、行き場のなかった感情は抱え込むうちにいつしか、ばらばらに凍り始めてしまいます。こんな凍った感情の粒、どんな人にも一つや二つきっとあるのではないでしょうか。

雷、落ちるとは言いますが、負の電子が地上に達して初めて通電し、実際は電流が地から雲へ上へ向かってほとばしるのだそうです。ますます底の方へまとまりながら重く下りていく氷塊の存在が気がかりです。

 

ならば感情が凍り出す前に、あなたのなかの気の流れ、心の底辺へ吹き下ろす氷まじりの風を、今一度しっかりと捉えてみてはどうでしょうか。

負の思いが乱舞し衝突し合って大きくなる前に。

電流を起こして自分も周りも焼いてしまう前に。

心の温度はどうですか?

内部で寒暖激しく差があったりしないでしょうか。自分でも知らぬ間に、氷の粒が巨大になりすぎていませんか。

早めに少しずつ溶かして、雨として流せないでしょうか。

 

いよいよ危険なときには、ぜひ一閃、晴天霹靂思い切って放電を。その時には相談室ができる限りの心の安全装備で、避雷援護いたします。

いつか穏やかな青空をともに見上げることができますように。

 

 

今月もカナリアるーむはメール・LINEにてご予約を承っております。

初回無料相談も継続中、気軽にご利用下さい。

 

(本文中画像 : 神戸観光壁紙写真集 KOBE Photo Galleryより)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一服のむこうに

8月に入りました。梅雨が明け、一気に気温が上がっております。

暑い中ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

お断り:本日のブログは煙草に関する記述が多く含まれますので、煙草がお嫌いな方、禁煙されている方、不快になりそうなかたは閲覧をお控えください。(なお、煙草を推奨するものではありません。)

 

さて、皆様はどんなふうに「一服」の時間をお過ごしでしょうか。

最近は休憩、カフェ、などという表現になるのでしょうか。お茶やお薬も一服、あるいは以前は先輩や同僚から「ちょっと一服してきます」などと軽い会釈を受けて、煙草を吸いに行かれる姿を見送ることも普通にありましたが、こうして考えてみれば「一服」という言葉もあまり聞かなくなりました。

私もそうですが煙草を吸わない方は、お茶やコーヒーの時間で置き換えて頂いていいと思います。一服、という言葉には、ちょっと緊張を解く、しばし不安とともに漂ってみる、考えや思いを一旦横に置いて見てみる、そんな短いですが休息の、一瞬ですが安らぎの響きを感じられます。

 

健康増進・受動喫煙防止の時代に敢えて、今日は、煙草が人の心の機微を代弁してくれているような映画「浮き雲」を紹介したいと思います。

フィンランドの映画監督アキ・カウリスマキの作品で、失業と時代の早い流れに絶望寸前の中年夫婦が再起をかける人間ドラマです。

彼の作品には基本的にあまり表情もアクションもありません。それだけに、人々のほんの小さな口元の動き、瞳の表情、そして今日のテーマ煙草がとても効果的に差し込まれており、そこはかとないユーモアと共に、じわっと心に来るものがあります。

女優のカティ・オウティネンさん、この方の抑えた演技がとてもよく、いわゆる絵に描いたような美女ではないのかもしれませんが、その横顔や少し微笑んだところなどが私は個人的にとても好きです。

そして煙草です。出てくるほとんどの人が吸うその煙草には、まるで言葉があるかのようで、ときには言葉さえ要りません。謝罪、友情、仲直り、不安、怒り、焦燥、まさに「一服」さまざまな場面に登場しますが、一番効いてくるのはやはりラストシーンでしょうか。

 

なぜ今回、煙草を話題にしたかと申しますと、この一服の感覚が、カウンセリングになかなかに近いものだからです。日本ではいまだに高額で、限られた人やよほどの困ったときでなければ受けないものととらえられているカウンセリング文化ですが、実際にはこんなお茶や煙草の「一服」のように、日常にとても近い場所にあってよいものです。

忙しい時、心配ごとがある時、なんだか疲れた時、ちょっと行き詰った時、考えがまとまらない時、とてもうれしいことが/悲しいことがあった時、人との/家族との行き違いがあった時、いろんなことが日常茶飯事に起こり得ますが、そっとその溜まった思いをふっと吐き出してみる時と場所はやはり必要です。そんな「一服」の瞬間は、面接室での言葉によるあなたの体験の解放、捉えなおし。ちょっと一時停止ボタンを押して、一服の休息です。そのひとときによってあなたの体験が再び動き出す、そんな感覚と想像していただければと思います。

紫煙の向こうに、淹れたてのコーヒー・お茶の湯気の向こうに、どんな景色が見えますか。

 

以前、電話相談をお受けしていたころにも度々感じていたことですが、ぎりぎりまで耐えて、我慢をして、もうだめだ、これ以上は無理だ、そこまで忍んで今日、やっとダイヤルしました…という方々のなんと多いことか、ということです。つらさを抱えながら、息苦しさを抱えながら頑張ってきた方々の思いを受け、身が耳になるような思いでした。故に、そんなにまで我慢をしつづけるもっと手前で、どうか「一服」の時間を、気軽に持っていただければとカウンセラーとして日頃感じています。

 

先程の映画「浮き雲」の女優カティ・オウティネンさんですが、2017年に日本でも公開された韓国映画「男と女」にも最終場面に特別に出演しておられ、画面でそれに気づいた時には思わず目を見張りました。映画評はここではいたしませんが、カティさんが演じる役がほんとうに短いながら、これもまた効いています。あまりに自然で気づかれない方も多いかもしれません。それほどに端役なのですが、ここでも煙草が登場します。韓国人女優チョン・ドヨンさんがさまざまの思いを経て辿りついた先でほぼノーメイクに近いお顔で涙するのですが、この様子もまたなかなかに意味があり、そんな彼女の横でそっと佇んでいるカティさん、その立ち姿が、なにか私たちに静かながらも不思議な力を与えてくれる、ということだけを申しあげておきましょう。ご興味のある方は、ご覧になってください。

 

今月も、コロナの混乱時期を受けましてひきつづき、初回無料相談も受付しております。どうぞお気軽にご予約下さい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

朝顔によせて

7月に入りました。各地で大雨となり被害のニュースも心配されますが、皆様如何お過ごしでしょうか。

 

f:id:kanariaroom:20200708205241j:image

昨日、今日と続けて朝顔がきれいに咲きました。

 

朝顔は、その種が薬用として古くより重宝され、病から回復した者が牛を牽いてお礼に参じたとの逸話から、またの名を「牽牛花」とも言われることをご存知でしょうか。

昨日は雨の七夕でしたが、此の日に朝顔が咲くと、牽牛と織女姫が無事に出会えた印であるとも言われ、大変縁起のよいものと聞き及んでおります。せっかくなので皆様にも、写真とともにご覧いただきました。

 

七夕の逢瀬ではありませんが、「出会う」とは、考えてみればとても不思議なものです。

心理学の世界では、心は海に浮かぶ氷山に喩えられ、我々が自分で気づいているのは水上につき出たほんの一角…とはもはや有名な話ですが、さてこれは、人と人との出会いにも同じ事が言えます。

つまり私達は、実際に出会う前に、実は無意識下で出逢っているという考え方です。

 

以前、まだ私がカウンセリングの勉強をしていた当初のことですが、先生がこんなことを仰いました。その頃、映画「タイタニック」が話題だったのですが、

タイタニック号は、氷山に気づいたときに舵を切るけれども、遅い、もう衝突しているわけです。主人公たちも、船に乗り合わせたその他の人達も、あれはもう、実はだいぶ早くからぶつかっていたと考えてみて観てごらんなさい。」

 

人と人が出会ってしまうとき、自らは全く意識の上で気づいていないところで、なにかを感じ、察知し、出会うか否かを選択していることがあるのかもしれません。もちろん、はっきりしたことは言えません。この選択が転機や旅立ちにつながる一方、しかし不思議なことに、人は慣れ親しんだ土地や家族、友との関係性を再度繰り返そうとすることがある、ということもまた事実です。それが良いか悪いかは別として、どこかで得た似た形を自ずと再現してしまうことがあることは、皆様も多かれ少なかれ心当たりがあるのではないでしょうか。

それは氷山の広大な裾野のどこかで既に衝突したか、触れ合って求めたか、あるいは逆に何か危険なものを察して身を翻そうとしたのか、いずれにせよ心の海の深遠な場所での出会いの痕跡なのかもしれません。

よき友情やパートナーシップに行き着くことができた人も、深入りせずに浅き流れにしておきたい方も、なにか苦しい関係を抱えて身動きができないでいる人も、どなたにも言えることで、これを運命であったり、良縁または悪縁とされたり、只の偶然と流したり、様々な呼び名はつけられるでしょうけれど、一度まわりの人との関係、出会いのそもそもについて考えてみることが、人生で時には必要なことがあるでしょう。カウンセリングではこのような主題についても一緒に考えさせていただくことがあります。

 

尚、カナリアるーむでは、今月も初回無料相談を受付しております。どうぞお気軽にご予約下さい。

 

 

 

 

 

 

 

再開にあたり 初回無料相談のご案内

皆様、いかがお過ごしでしょうか。

このたびは新型コロナウイルス感染症拡大防止対策にともなう生活の変化で、苦しい状況が続いていることと思います。自粛期間、カウンセリングルームもしばらくお休みいたしておりましたが、おもちゃひろばも人数を制限しながら営業を再開しました。これにあわせて、カナリアるーむも6月よりご予約の受付を再開します。

 

感染症への不安、経済的な問題、生活の変化で体が疲れやすい、どことなく気が晴れない、ちょっとした日常のこともつらく感じるなど、心身の不調をおぼえる方も少なくありません。

つきましてカナリアるーむでは、当面、初回のご相談を無料にてお受けすることにいたしました。ご予約は前日までに、メールに加えて、LINEでも可能となりました。

 

一度、カウンセリングを体験してみたかった方、今現在の苦しい気持ちをほんのひとときでもどこかに荷下ろししたいという方、ご自身だけの時間をとって心を見つめ直したい方、これまでは金銭的な面でちょっと…と予約をためらわれていた方など、さまざまな方にこの機会にご利用いただければと思います。

初回だけ、継続なしの一回きりの相談も結構です。

どうぞお気軽にお問い合わせください。

尚、座席位置、間隔には配慮いたします。

 

kanariarm❉gmail.com

(❉を@に変更して送信してください)

LINE ID:  ka.87268@kanaria-room

f:id:kanariaroom:20200528200025j:plain

 

使わない部屋

寒さの中にも、陽射しのまぶしさに春の季節を感じる月となりました。

分厚い上着に冬の間じゅう隠れていた自分自身、あるいはあたためておいた思いにも気づくことがあるかもしれない、そんな2月です。

 

こんな季節に似合う花、桃子という名の女性が登場する作品を今日はひとつ。

向田邦子さんの短編小説に「胡桃の部屋」という作品があります。

仕事人間だった父親がある朝ぷつんと糸が切れたように家を出た後、ばらばらになりそうな家族のために長女・桃子が、いざ獅子奮迅勇ましく父親役を買って出る、ちょっと可笑しく、ちょっと悲しく、ほろ苦い昭和の作品です。

何年か前にNHKでも松下奈緒さん主演でドラマ化されていました。

ドラマのほうは、松下奈緒さんのひたむきな桃子役の優しい佇まいが、全体に上品でどこか透明な感じを行き渡らせて、これはこれですてきなドラマだった記憶がありますが、実際の原作の短編のほうは、もっと人間くささもあって、人の肌の熱がじんわり伝わってくるようなところも、短編ならではの余韻というのか、魅力かもしれません。

その長女・桃子が一心に進んできた道の途中で、時には振り落とし、封じ込めた数々の思いが、作品の最後に衝いて出てきます。それが「胡桃の中の使はぬ部屋」。

 

胡桃というのは大変固い殻に被われていますが、割ってみると意外と隙間、空の部分があったりします。ぎゅっと身をひきしめて、それが胡桃のおいしい味になるのかもしれませんが、この空間を心の働きとしてみると、みなさんはどのように捉えられるでしょうか。

 

あなたの家にも使わない部屋、そんな部屋はありますか。畢竟、押入れだったり、或いはデッドスペースとも呼ばれたりしますが、収納にあてている方も多いでしょう。

短編の桃子さんの場合は、甘えも嫉妬もそんなものはハナからなかったとでも言うようにがんばってきた。その実には懸命に目を向けてきたけれど、薄皮一枚の外側を知らぬふりで過ごし、必死に駆け抜けた。他の登場人物たちの目前にもそれぞれ、おのずと立ち現れてくる。あるとき気づいてしまう、胡桃の部屋の存在です。

 

みなさんの胡桃の部屋はいかがでしょうか。

もしあるならば、その部屋になにをしまってきたでしょうか。またはなにかを放り込んでおいたりしたでしょうか。あえてきちんとそこに片付けてあるかもしれませんし、忘れているものもあるかもしれません。あるいはもっと前から、最初からそこにあったものでしょうか。

見つめてみたほうがよいでしょうか、そっとしておいたほうがよいでしょうか。

それぞれの世代や置かれた状況に合わせて、一人ひとり別の違った部屋の管理のしかただったり、置き方だったりになるかもしれません。

いまのあなたにとって、その部屋はどんな意味を持っているでしょうか。

こんな「使わない部屋」の感情も、カウンセリングで扱う部分にもなるかと思います。

 

今月もメールにてご予約をお待ちいたしております。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

年明けて

年始は皆様いかがお過ごしでしたでしょうか。

f:id:kanariaroom:20200114081719j:image

今年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

 

さて、小正月あるいは旧くは女正月などという言葉もあります。年始はご家族ご親戚や友人と過ごしたり、初詣など行楽に出かけたり、一方で、食事の準備やたまった洗濯物など家事に追われたりなど、お忙しいものです。

1月半ばになりますと、そのお疲れが出ることが多々あり、賑やかに過ごせて楽しかった反面、一人の時間がやっと今になって取れて、ふと色々な感情が湧いて出たり、逆に沈んでしまったりするものです。また、普段は離れている家族や人と会うこと自体がストレスになってしまったりするケースも少なくありません。それぞれの日常にもどり、もう一度身を落ち着けて、静かに心振り返ってみる時かもしれません。

今月も、そのような振り返りの時間をお手伝いいたします。ご予約はメールにてお待ちしております。

 

師走

いよいよ12月となりました。
寒くなりましたね。
今年は皆様どのような一年だったでしょうか。この季節は、店先の装飾も華やかで行事ごとや人との行き来が増える一方、ちょっと電車やバスを待ったり、コートやマフラーを身に着ける瞬間や、寒さをよけて建物やお店の中でいっときの暖を取ったり、そんなはざまの時間にふと心も立ち止まって、一人なにかを思う・考える、そんな機会も多くなる時です。

カナリアるーむは、皆さんのちょっとした小さな振り返りの時間を大切にしたいと思っています。今月も予約制にて、メールをお待ちしております。

年末は12/26迄、年始は1/7より受付いたします。お気軽にご予約下さい。