寒さの中にも少しずつの春、梅もほころびはじめました。
皆様、いかがお過ごしですか。
年度末が近づいて仕事や学業もとりまとめの季節です。
そんな時期だからこそ今日は、間違い・失敗についてお話をしようと思います。
✾ ✾ ✾
失敗は誰もしたくないもの。
でも、そう思うあまり緊張で身動きが取れなくなったことはないでしょうか。
幼少期、青少年期、大人の皆様なら新しいことを始めた時などを考えて想像してみるとよいかもしれません。
ミスに対し、どう向き合うのがよいのでしょうか。ミスしないために禁止したり、圧力をかけたりすることがはたしてよいのでしょうか。
たとえばアメリカの例ですが、子どもたちが教室で無駄に怖れや自己否定を増幅させないよう、「間違うこと」についての考え方や見方を変える=別のポジティブな表現に言い換えるという実践があります。私が個人的に面白いと思っているのは、「失敗する資格」というライセンスカード(失敗免許/資格証)。すなわち「私は間違ってもよい」「間違いながら学ぶ資格がある」ということ…これを子どもたち自身が作って身に着けるのですが、『失敗から学ぶ限りにおいて、有効期限は無し』だそうです。
つまりこれは一生ものの資格証、というわけなのですね。
ミスしてはいけない!と厳しく縛られるより、そんなカードをポケットにいつも入れている生活のほうが、よほど心静かに強く物事に臨める気がします。
そういえばあるドラマで、失敗しない女医さんのセリフが茶の間を魅了したことがありました。今月のブログのタイトル、そこをちょっともじっています。
もちろんビジネス、特に専門性の極めて高い業務の世界では、いかなる失敗も決して許されないとは重々承知しています。
ですが、それでも私は、宇宙飛行士の油井さんが語ったあるエピソードを思い起こします。油井さんがISSに到着したとき、スコット・ケリー船長からかけられたこのような一言があったそうです。
「宇宙飛行士だって人間だからな、失敗はするよ。失敗はそもそもするもんだと思って気楽にやれよ。」
現に油井さんは、この言葉にすうっと心が楽になり作業に取り組めたと。
「失敗を言える環境を作ることは大事で、自分が上司になったときは失敗したことを褒められるくらいの気持ちでいたい、そうでなければ高い緊張にきっと潰れてしまうだろう」と仰っていました。
人の持つ真の力を発揮するために必要な、ミスや失敗の抱え方を教わった気持ちがしたのでした。
誰でも失敗をします。生まれてから老いるまで、試行錯誤の連続です。
人生において大切なことは、その失敗や間違いから学ぶこと。
「自分は失敗して諦めて、時間は失われた。」「もう無理、今さらやり直せない!」と悲痛な叫びを上げることもあろうかと思うのですが・・・
実は、閉ざされ諦めた一つの道の先に、別の二つ以上の方法が立ち現れることが、人生には少なからず起こります。正確には、一つの挫折や失敗に対し、別の+1や+2の方策、可能性としての+1や+2の代替案を探そうとすることそれ自体が、創造的生き方につながっていくと言った方がよいかもしれません。
大きな目で見れば、やり直しがきかないことは、それほど多くないのではと思います。
どうか失敗を怖れず、何度も試行し続けた証としたいものです。