カナリアるーむ こころの相談室

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花時

彼岸を過ぎたというのに朝顔の話を再び。

赤い朝顔が、今年やっと花をつけました。
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去る七夕に白い朝顔の記事を上げました。

コロナ自粛のつれづれ期に赤白両方の朝顔を植えたのですが、白の方だけがぐんぐん成長し、夏の間はいくつも咲きました。ところが同じ日に植えた赤い方はいつまでたっても花芽がつきません。蔓の成長も比較すれば細く、遅く、毎日水をやりながら、たくさんついた隣の白花達がツンツンとよけい立派に見える日もあり、「赤よ、つかないねえ、もうだめなのかなぁ」とつい独りごつ日もあり。

 

摘芯や肥料など世話しながら、知らないうちに私は、赤い方に自分を重ねて見ていました。私は元来体が細く、小さい頃はちょっとひ弱な子どもで、幼少期には平均体重にはるか届いたことがありません。もっと食べろ、もっと大きくなれと茶碗に盛り付けられるご飯の山、そんなに盛られてはお腹も痛くなる、痛いの食べられないのと泣き言をもらせば、昭和の健康優良児を良しとするような大人たちの目にぎゅっと睨まられて(否もとい、見守られて?)、なにかと心配されていることを幼心にしかと内面化していました。思い込みなのですが、どうやら自分は不完全らしいなと膝を抱えていた記憶が、ふいに赤い方の苗に向かっている、そのたびにもう私は大人だぞとふき出し苦笑いしつつ、水をじゃー…とあげる、そんな夏でした。

また、朝顔は夜の暗い時間が必要です。防犯の意識から外灯などが常時灯る現代、暗闇の時間を確保するために、シェードを張って中へ引っ込めたりにも気をつけました。

 

その赤が、ここへ来て、いくつもつぼみをつけ始めました。おそらく、明日もあさっても、しばらく咲いてくるであろう蔓の勢いが伝わってきます。赤の背にすでに種になった白花の枯れ蔓が見えますが、この両者の差がまたじわっと来る、彼岸を過ぎての朝顔です。

 

暗闇の時間を過ごしたあとの花芽の力。

花時、この苗にはこの苗の花時。

人にも、その人その人の時機。

人には、各人ずつ、きっとその人だけの花時が来るでしょう。無論、花は一つではなく、その時、その場所、その年齢・年代における、咲かせたい花、実らせたい実が出てくるはずです。一つ一つ焦ることなく、花時を待ち、順を追って咲かせていけばよいのでしょう。

その日のために、日々土を整え、ときには暗闇の中で眠り、水を与えて渇きを癒やしていきましょう。時間はかかっても、必ずやってくるその花時のために。

 

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