天高く空が澄み紅葉が美しくなる季節になりました。皆様いかがお過ごしですか。
外出や、衣替えや家の模様替えなどもされているでしょうか。昨年の衣類・家具を出したり夏物をしまったりしているこの時期、色々と物思うことが増えるかもしれません、心もゆらいで体調を崩しやすい時ですのでどうぞ温かい飲み物などを摂取するなどしてゆっくりとお過ごしください。
さて今日は水筒のお話です。
暑すぎる季節が終わって、どうでしょうか。この水筒/マイボトル、地味ですがしかし実は手のかかる家事であったりします。最近は部品の少ないものも出てはいますが、上フタ中フタ、ゴムパッキン、本体も柄の長いブラシで洗ったり、重曹を何時間か落とし付け込んだり、なにより翌日までに乾かしたいのになかなかカラリとは乾かない、という、夏の間じゅう意外に手の混んだ労働を強いられていたのではないでしょうか…思い当たる方も決して少なくはないことでしょう。この「水筒という名の家事」…秋になった今だからこそ振り返ることができたりしませんか。
例えば前の晩、帰宅後に水筒を出してくれないご家族にほとほと嫌気がさして、つい怒鳴りつけてしまう。バッグから幼いお子さんの水筒は出してやる、それは耐えられるのですが、自分で出せる年齢になっている大人の家族から深夜や翌朝になって水筒を差し出されたり、後片付けの終わったキッチンにポンと置かれているのを見ると、どうしようも怒りが抑えられない、そんな、悲鳴のような声にならない声。
またある方は、麦茶を沸かすこと、汗流しながら台所を熱気満々にしながら沸かす、それを思い出すと心身のほうがもう沸々カッカとしてしまう。100円といくらか出せば、冷たくて美味しいお茶が買えるじゃないの、夕方まで、最後の一滴まで買ったお茶は美味しいなどと、言われた。ほんとうは毎日買いたいし買ってほしい、でも…そんなこと言えない。できない…第一もったいない。なのに、洗うときには半分以上残っている余りのお茶を流し台に捨てる夜、その虚しさといったら…。
ご家族が、冷蔵庫用お茶のピッチャーに、残りあと数センチという量だけ飲み残して冷蔵庫に戻すのだと、それが許せないと言うお話もあります。次の新しいお茶を沸かしてくれようとはしない、その事に腹立ちが抑えられない。どうして、そんな残し方をして冷蔵庫にしまうのはわざとなの?と。
このように仰る皆様、一様に非常に怒っています。しかし聞いていると、果たして…いかがでしょう、別の声が聴こえてきませんか。
皆さん、実はとても、とても、優しいのです。
ある方は、家族に毎朝、衛生的でないかもしれない水筒を持たせることが嫌でたまらなかった、ぬるかったり美味しくないお茶を持たせたくなかったのです。
またある方は、買うお茶の100円分は自らの甘えだから、自分の行動次第なのだ、節約するべきなのだ、そう決意を固めていらっしゃる。
本当の気持ちは、家族を思い、家計を思い、なにかお一人ずつ抱く固い決意があり、精一杯に家事をこなしているお姿がありました。悲愴なほどに…。
季節が変わるとき、とくに夏から秋へと移るときは、あなたの中の滾(たぎ)るような感情も、すこし鎮まりやすく、いま一度振り返られることがあります。喉元をすぎる熱いものが、季節の移ろいといっしょにほんの少し心の中で冷まされるとき、あなたの中の本音、本当の寂しさや不安に触れることができたりします。
そしてこの、断片的であってもよいのですが、本音の部分、一抹の寂しさの部分が、あなたの人生と同居し、あなたが長らく身にまとってきた感情や決意に繋がっているかもしれません。
滾る怒りは感情の上蓋の部分です。その蓋をそっと取って、その真下にある感情の層に目を向けてみませんか。
小さなことでよいのです、この夏の水筒のように…。真実は、細部に宿るとも申します。カウンセリングは実はそんな小さなことに始まり、ささやかな感情の揺れから、抱えるご自身の問題の糸をたぐることができるかもしれません。
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(写真 : 奈良 若草山)