カナリアるーむ こころの相談室

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土の下のすずなり

とりわけ暑い毎日が続きます。皆様いかがお過ごしですか。

あまりの暑さに朝から身が溶解しそうになりますが、最近、相談室の下にかわいいジェラート屋さんができました。朝ガラス越しにお店の方に手を振って挨拶するほんのひととき、涼しさを頂いています。

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さて涼といえば先日、ざるそばを食べに行ったときのこと。(アイスクリームと同じく、夏になると食べたくなります。)和の内装でほっとしつつ、配膳されたお盆の上に、ちょっと面白いものを見つけました。

本物の殻付き落花生が箸置きになってる……。
とてもしっくり、雰囲気に合っています。

 

落花生、ピーナッツ、関西のこの辺りだと畑にはなかなかお目にかかれませんが、生の落花生を春に土の中に埋めると、そこから胚軸がふくらんで殻を破り、根を下へ下へと伸ばしていきます。陽光と雨に恵まれれば元気にわさわさと茎も本葉も育ち、夏の初めには黄色いかわいらしい花を咲かせる植物です。

落花生がひときわユニークなのは、その名の通り、この後。
花は終わるとしおれて枯れますが、その後、花の根元からなにかがぐーんと伸びて垂れ下がってきます。子房柄という名だそうですが、針のようにとがったこれが、一つ一つみずから地面に向かって伸び、土の中に次々に潜ってゆくのですから驚きます。

そして埋まった個々の子房柄の先に、実がなります。土の中で自らを育て、栄養を蓄えて膨らみ、豆の莢が形づくられます。そう、落花生って、地面の土の中にできるとても不思議な変わった豆なのです。

根菜とは違う、豆なのに。

周りからは見えないし、花が落ちた後は、誰にも知られないところで黙々と仕事をつづけ、そして力を貯めているかのようです。

収穫の秋の畑で、この株ごと人が抜いて、逆さに立てて乾かして取り入れる光景は、ご存知の方も多いかもしれません。
土の下でそんなふうになっているとは、抜くまでわからないほど、すずなりに実がなっているのは、ほんとうに見事ですね。

落花生という植物は、黄色の花を終わらせた後に、いつのまにか人や動物からは見えないところで、実はせっせと活動しているということなのだなと思います。

しかも、自分でその種実を地中に埋めて、つまり自ら種まきをして、栄養を確保しているというわけです。なんだかちょっと立派ですね。

私たちはそんな落花生のおいしい実を掘らせてもらって、揚げたり炒ったりして、おいしくいただいている。

こういうことは人の世界でも、もしかすると結構身近に、あるような気がします。
目に明らかなことばかりが、はなやかさばかりが真実ではなく、傍目には分からない暗い土の下で育まれ、継続される力や活動は実際、数多いです。

蕎麦猪口のとなりの落花生の箸置きを見ながら、ひとしきり…暑い中、今も見えないところで人知れず頑張っている皆さんに、そしてその成果を分けてくださっている方々に、感謝と応援を。今月は落花生に寄せてそんな気持ちになりました。お蕎麦屋さんにも、ありがとう。

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まだまだ猛暑でしかも残暑の季節。
どうぞ元気にお過ごしいただければと思います。

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夏休み期間、しばらくご多忙で間隔の空いている方々、また長期休み中ならではの生活リズムで子育て中の皆様も、落ち着かれました頃に、ご予約お待ちしております。