カナリアるーむ こころの相談室

神戸 岡本 摂津本山 おもちゃひろば~Toys' Campus内併設 カウンセリングをもっと身近に

朝顔によせて

7月に入りました。各地で大雨となり被害のニュースも心配されますが、皆様如何お過ごしでしょうか。

 

f:id:kanariaroom:20200708205241j:image

昨日、今日と続けて朝顔がきれいに咲きました。

 

朝顔は、その種が薬用として古くより重宝され、病から回復した者が牛を牽いてお礼に参じたとの逸話から、またの名を「牽牛花」とも言われることをご存知でしょうか。

昨日は雨の七夕でしたが、此の日に朝顔が咲くと、牽牛と織女姫が無事に出会えた印であるとも言われ、大変縁起のよいものと聞き及んでおります。せっかくなので皆様にも、写真とともにご覧いただきました。

 

七夕の逢瀬ではありませんが、「出会う」とは、考えてみればとても不思議なものです。

心理学の世界では、心は海に浮かぶ氷山に喩えられ、我々が自分で気づいているのは水上につき出たほんの一角…とはもはや有名な話ですが、さてこれは、人と人との出会いにも同じ事が言えます。

つまり私達は、実際に出会う前に、実は無意識下で出逢っているという考え方です。

 

以前、まだ私がカウンセリングの勉強をしていた当初のことですが、先生がこんなことを仰いました。その頃、映画「タイタニック」が話題だったのですが、

タイタニック号は、氷山に気づいたときに舵を切るけれども、遅い、もう衝突しているわけです。主人公たちも、船に乗り合わせたその他の人達も、あれはもう、実はだいぶ早くからぶつかっていたと考えてみて観てごらんなさい。」

 

人と人が出会ってしまうとき、自らは全く意識の上で気づいていないところで、なにかを感じ、察知し、出会うか否かを選択していることがあるのかもしれません。もちろん、はっきりしたことは言えません。この選択が転機や旅立ちにつながる一方、しかし不思議なことに、人は慣れ親しんだ土地や家族、友との関係性を再度繰り返そうとすることがある、ということもまた事実です。それが良いか悪いかは別として、どこかで得た似た形を自ずと再現してしまうことがあることは、皆様も多かれ少なかれ心当たりがあるのではないでしょうか。

それは氷山の広大な裾野のどこかで既に衝突したか、触れ合って求めたか、あるいは逆に何か危険なものを察して身を翻そうとしたのか、いずれにせよ心の海の深遠な場所での出会いの痕跡なのかもしれません。

よき友情やパートナーシップに行き着くことができた人も、深入りせずに浅き流れにしておきたい方も、なにか苦しい関係を抱えて身動きができないでいる人も、どなたにも言えることで、これを運命であったり、良縁または悪縁とされたり、只の偶然と流したり、様々な呼び名はつけられるでしょうけれど、一度まわりの人との関係、出会いのそもそもについて考えてみることが、人生で時には必要なことがあるでしょう。カウンセリングではこのような主題についても一緒に考えさせていただくことがあります。

 

尚、カナリアるーむでは、今月も初回無料相談を受付しております。どうぞお気軽にご予約下さい。